こんにちは、機械学習研究開発職の酒谷です!2回目の投稿です。
先日、新人研修の実習報告会がオンラインで開催され、執行役員や部長陣も含め40人以上が参加しました。
エスディーテックの新人研修では、
デザインエンジニアリングに関する充実した座学に加えて、実際の案件を模した実習を実施しています。
今年は新卒の3名がこの実習に取り組みました。
● Cさん:UX/UIデザイナ、映画好き、壊れ物の修理が得意
● Tさん:ソフトウェア開発エンジニア、肉好き、長距離走が得意
● Sさん:機械学習研究開発職 (博士卒)、ハンバーガー好き、寒さに耐えるのが得意
三つの職種が揃いましたので、それぞれの力を発揮して融合できるように、チャットアプリの開発がお題となりました。
実習テーマは「キャラクターを使った対話システムの開発」で、ある地域のリアルタイムな観光案内をするチャットボットアプリの開発に挑戦。
例年、実際の案件で使える情報の管理・伝達方法を習得するために、クライアントを想定した形式を実習に取り入れています。
今年も、クライアント役を演じる社員との打ち合わせを通して実習は進められました。
新卒の3名には、「特定の地域・文化の最近の情報を発信したい、ユーザーログイン機能が欲しい」といったクライアントからの要望が書かれた資料のみが与えられました。
開発だけでなく、スケジュールの策定、要求事項の分析、タスクへの落とし込み、利用技術の選定といった工程も彼らが取り組みました。
実習中は、ひとりひとりにメンターとチューターという2人の社員が付き添い、精神面・技術面を手厚くサポートしました。
私も機械学習系のチューターを担当させていただきました。
報告会でお披露目された成果物はこちら!
かわいいですね。タブレットで動いております。
キャラクターや画面遷移を含め、UI/UXはデザイナーのCさんが一からデザインしました。
観光案内の「地図」に掛けたチーズのキャラクターです。
応答内容の生成にはChatGPTのAPIを利用していますが、単にChatGPTが入力内容に返答するわけではなく、最新の観光情報を伝えられるように様々な工夫がなされています。
まず、ChatGPTが知らないことにも答えられるように、地域の情報に関する独自データもChatGPTに入力しています。
ただし入力量が多すぎるとAPIがエラーを返してしまうため、ユーザの入力文との関連性が高いデータのみを事前に抽出しています。
また、会話の文脈を長期的に記憶できるように、会話履歴を保存しておき、
それを要約した内容もあわせてChatGPTに入力するという設計になっています。
この辺りの工夫は機械学習研究開発職のSさんが考えました。
firebaseを使ったログイン機能も実装されているため、会話履歴はユーザごとに記憶できるようになっています。
ログイン機能とモバイルアプリの実装はすべてソフトウェア開発エンジニアのTさんが担当しました。
クロスプラットフォームのフレームワークで開発したため、iOSでもAndroidでも動作します。
報告会では、成果物とクライアントからの要求事項を比較し、未達事項の原因を振り返りました。
新卒のみなさんからは
「クライアントへの案の見せ方を変えれば、もっと良いアイディアを通せた」
「タスクの取り組む順番を事前に考えておけばもっといいUXを設計できた」
といった感想が上がりました。
一方で、
「同期の思い出をつくる」
「異なる職種による共同開発の方法を学ぶ」
「報告書、日程、品質へのプロ意識を取り入れる」といった実習そのものの目的はすべて達成が確認できました。
やったね!
報告会の参加者からの反応は
「期間などを考慮してもアウトプットの品質として高い」
「3人のチームとしての役割分担もうまくいっていたのが伝わってきた」
「車輪の再開発にならないよう、世の中の便利なものを使って最適解を選択できているのは素晴らしい」
など絶賛の嵐で、実習の成果と報告の完成度に興奮の声が多くあがりました。
最後に、新卒の3名から新人研修に対するフィードバックがあり、
「ドキュメント作成の講義」
「コーディングルールに関する資料」
があればよかったという意見が出ました。
来年の新人研修はさらにパワーアップしそうな予感です!
今回は新人研修の実習報告会の紹介でした!
真剣な内容でしたが、会は終始なごやかな雰囲気で終了しました。